【試験対策】命題論理式についてのまとめ【大学講義】

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はじめに

命題論理式について講義レベルの問題を解くために必要なことを説明していきます。

試験前日の一夜漬けで覚えたい人向けの記事です。

命題論理とは?

まずはじめに命題論理について簡単な説明をします。

命題論理とは簡単に言えば真偽のどちらかを示す単文を命題として扱い、基本命題と複合命題との論理的関係を論ずるものです。

基本命題とは最小単位の命題のことで、例えば次のようなものです。

  • 「けーとら日本人である。」
  • 「けーとらは学生である。」

複合命題とは複数の命題を内包する命題のことで、例えば次のようなものです。

  • 「けーとらは日本人であり、学生である。」

この複合命題は『「けーとらは日本人である。」かつ「けーとらは学生である。」』という意味の命題で、2つの基本命題が内包されています。

また、命題を考える上で大切なのは「けーとら」や「日本人」「学生」という真偽の意味を持たない言葉について考えることはないということです。

命題論理式とは?

命題論理式とは原子式と論理記号で命題を記号表現したもののことです。

  • 原子式:基本命題を表す記号(p,q,rなどを用いる)
  • 論理記号:命題同士を結合するために用いる

論理記号について

論理記号は5つ存在し、優先度の順に次のようになります。

  • 否定「¬」:〜でない
  • 連言「∧」:〜かつ〜
  • 選言「∨」:〜または〜
  • 含意「→」:〜ならば〜
  • 同値「⇔」:〜の時かつその時〜

先ほどの例で言えば「けーとらは日本人である。」という命題を原子式p、「けーとらは学生である。」という命題を原子式qとすると、「けーとらは日本人であり、学生である」という命題は2つの原子式と論理記号を組み合わせて「p∧q」と表すことができます。

命題論理ではこの原子式と論理記号で表現される命題論理式が真なのか偽なのかを考えていきます。

また、論理式(p、q)の真偽に対する論理記号の意味は次のようになります(真をT、偽をFとする)。

p¬p
TF
FT
pqp∧qp∨qp→qp⇔q
TTTTTT
TFFTFF
FTFTTF
FFFFTT

含意について

他のものはおおよそ大丈夫でしょうが、含意については間違えやすいです、しっかり覚えましょう。

まず含意とは最初に書いたように「→」と書いて「〜ならば〜」という論理記号のことです。そして、この言葉の表現の曖昧さによって多くの人が意味を間違えます。

次のような命題論理式を考えましょう。

「p→q」:「進級する」という命題を原子式p、「数学の単位がある」という命題を原子式qとする。進級するには数学の単位が必要だとしましょう。

論理式p、qの真偽について次の4種類の組み合わせが存在します(ここでは真をT偽をFとする)。

  • pがT、qがT:「進級するならば数学の単位がある」
  • pがT、qがF:「進級するならば数学の単位がない」
  • pがF、qがT:「進級しないならば数学の単位がある」
  • pがF、qがF:「進級しないならば数学の単位がない」

この命題論理式の意味のうち「間違っているもの=偽」であるのは2つ目の「進級するならば数学の単位がない」というものだけです。それ以外は可能性としてあり得る(間違っていない)ため真になります。

このため含意では

  • T→T:T
  • T→F:F
  • F→T:T
  • F→F:T

となるわけです。

命題論理式を考える上では間違っているのかどうかということが真偽を決めると考えてもらって大丈夫です。

覚えておくべき用語

  • 恒真式:命題論理式が原子式の真偽に関わらず常に真である。
  • 恒偽式:命題論理式が原子式の真偽に関わらず常に偽である。
  • 妥当:論理式ρが恒真式であるとき、論理式ρは妥当であるという。
  • 充足不能:論理式ρが恒偽式であるとき、論理式ρは充足不能であるという。
  • 充足可能:論理式ρが恒偽式でないとき、論理式ρは充足可能であるという。

命題論理を考える上で重要なこと

上記のことだけで命題論理を扱った問題が全て解ける人もいるかもしれませんが、そうでない人の方が多いと思うので、命題論理を考える上で重要なことについて書いていきたいと思います。

解釈とは?

解釈とは、原子式の真偽に基づいて考えることで命題論理式の真偽を明らかにすることです。

例えば「p→q∨r」という命題論理式に対して「p=T、q=F、r=F」である場合。

この命題論理式は「T→F∨F」、つまり「F=偽」となります。

こうして命題論理式の真偽を明らかにすることを解釈と言います。

命題論理式で使う同値関係

命題論理式を考える上で使う同値関係は次の通りです(ここでは真をT、偽をFとする)。

p⇔q = (p→q)∧(q→p)
p→q = ¬p∨q
p∧T = p
p∧F = F
p∨T = T
p∨F = p
二重否定の法則¬(¬p) = p
べき等律p∧p = pp∨p = p
補元律p∧¬p = Fp∨¬p = T
交換律p∧q = q∧pp∨q = q∨p
結合律(p∧q)∧r = p∧(q∧r)(p∨q)∨r = p∨(q∨r )
分配律p∧(q∨r) = (p∧q)∨(p∧r)p∨(q∧r) = (p∨q)∧(p∨r)
ド・モルガンの法則¬(p∧q) = ¬p∨¬q¬(p∨q) = ¬p∧¬q

ここに書いたものについては覚えておく方が良いかもしれません。

最後に

大学の授業程度ならこのくらい覚えればいいのではないでしょうか?

あとはこれがどんな形で出ても解けるようにひたすら暗記しましょう!

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